数年前、ある雑誌に東大生へのアンケート結果が掲載されました。
それによると東大生の9割が「親にしっかり自分の話しを聞いてもらった」と答えています。
これは興味深いです
「親に話しを聞いてもらえる」
この体験は「自分はパパやママから大事にされている、信頼されている」と無意識に感じさせる行為なのです。
つまり、自分は大切にしてもらえていると実感できるということですね
親子でグッドコミュニケーションが取れている子どもは、自己肯定感も学習意欲も高まるそうです
自己肯定感が高い人には、以下のような特徴があります。
これらは、社会に出てから大成するためにとても大切な要件です。
子どもの将来のためにもいい影響が大きいですね。
さらに「自分はこうしてもらった」という体験があれば、自分の子どもにもしてあげてくれそうです
親から無条件で愛されていると実感できている子は、精神的にも安定します。
子どもが安定した精神状態でいることが、学力を向上させるために大切な要素の一つといえます。
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「他人と話す」より「家族と話す」方が脳が発達する
親子の会話は脳にとてもよい効果をもたらします。
科学的にも、他人と話すよりも家族と話す方が脳の前頭前野が発達することがわかっています。
「前頭前野」は、「考える」「記憶する」「アイデアを出す」「感情をコントロールする」「判断する」「応用する」など、人間にとって重要な働きを担っているため、人間が人間らしくあるためにもっとも必要な存在といえます。
Active Brain Club|脳のはなし
「愛すること」とは「話を聞いてあげる」こと
私たちも思い悩んだとき「誰かに話しを聞いてもらうだけで楽になった」
こんな経験は誰でもあるわ
この例だけを見ても、話しを聞いてもらうことによる効果はなんとなく理解できるのではないかと思います。
小さなお子さんにとっては、パパやママと過ごす時間が大部分を占めています。
大好きなパパやママに思う存分お話しを聞いてもらえたら、どんなに幸せでしょうか。
親に愛されているかどうかは、子どもたちにとって最重要事項なのです。
反対に親に話しを聞いてもらえない、もしくはスマホ片手に顔も見ずに話を聞かれていると、どんな想いをするでしょうか。
パパは僕のこと嫌いなのかな?
ママは私のことなんてどうでもいいんだ
こんな思いにさせてしまっても不思議ではありません。
しかし忙しい現代人、いつもいつも子どもが求めるタイミングで話しを心ゆくまで聞いてあげる。
それはさすがに無理でしょう。
親だって機械じゃありませんから
ストレスや残業・寝不足でイライラ、とてもそんな余裕がないときだってあります。
そんなときは、こういう言葉をかけてみてはどうでしょうか。
今はむずかしいけど、あとでお話し聞くからちょっと待っててね
お話し聞けるようになったら、声掛けるね
そして実際にこのとおりにしてあげることができれば、子どもたちも邪険にあつかわれたとは感じずにすむはずです。
間違っても「うるさい!」などとは、言わないであげてほしいのです。
僕たちも気を付けないとね
そうね、忙しいとイライラしがちだからね
「会話をしているつもり」なのは親だけかも?
ただし、注意したいことがあります。
「パパやママが一方的に話す」のではなく、あくまでも「聞いてあげる」ことが重要です。
「たいていの親は、1日の子どもにかける言葉の70パーセントが叱る言葉で、残りの30パーセントが普通の言葉とほめ言葉といわれます」
引用元 PHP研究所「認めてほめて愛して育てる」 七田眞・七田厚
叱られてばかりだと子どもも委縮してしまい、子どもの言い分を聞いてあげることも難しくなりそうです。
はたして、叱られてばかりの子が心を開いて話してくれるでしょうか。
コミュニケーション上手になれる「やまびこ法」
そこで最後に、子どもが「お話しをよく聞いてもらえてる」と実感できるコミュニケーション方法、やまびこ法のご紹介です。
やり方はとっても簡単。
やまびこのようにお子さんの言葉を繰り返してあげるのです。
今日は誰と何して遊んだの?
れいなちゃんとお人形ごっこして遊んだの。
れいなちゃんとお人形ごっこしたの。楽しかったね。
うん、楽しかったよ。また明日も遊ぼうって約束したの。
明日も遊ぶ約束したの。いいなぁ。明日は何して遊ぶの?
このように、同じ言葉を繰り返してあげるのです。
人間という生き物は口は1つ、耳は2つです。
これはしゃべる分の2倍、人の話しをよく聞くためなのです。
「話し上手は聞き上手」です
心に残る言葉を伝えることよりも、まずは子どもの声に耳を傾けてみましょう
さあ、あなたも今日からお子さんとのコミュニケーションの時間、話しを聞く時間を増やしませんか。
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